これからマイホームを建てる方にとって重要なポイントの一つが、自宅から職場までの通勤時間です。世の中の人は、一体どれぐらいの時間をかけて仕事場まで通勤しているのでしょうか。気になる平均通勤時間などについて、総務省統計局が公開したデータをもとにリサーチしてみました。地域や環境によって異なる許容できる通勤時間。ご自身の生活環境に当てはめて、比較してみてください。
遠くて広い家か、小さくても職場に近い家か
みなさんの通勤時間は、どれぐらいでしょうか。「遠くても広い家がいい」という意見もあれば、「家賃が高くても通勤に便利な場所がいい」という意見もきっとあると思います。さらに、交通機関の発達や地価など、地域によっても許容できる通勤時間や住宅にかけられるお金が違うので、単純な比較はなかなか難しい問題です。ここでは、首都圏、中部圏、近畿圏の各エリアにおける通勤時間の統計を参考にしてみます。
交通機関が整った首都圏が一番長い
総務省統計局による「住宅・土地統計調査結果」では、以下のようなデータが公開されています。
【平均通勤時間】
・首都圏/30分未満:33% 1時間未満:37% 1時間以上:30%
・中部圏/30分未満:55% 1時間未満:34% 1時間以上:11%
・近畿圏/30分未満:43% 1時間未満:37% 1時間以上:20%
首都圏の人は、10人に3人が通勤に1時間以上をかけていて、もっとも平均通勤時間が長くなっています。一方、中部圏の場合は、1時間以上がわずか11%。半数以上の人が、30分以内となっていて、最も短いという結果です。
現在の通勤時間と許容できる通勤時間
また、別の調査によると、現在の通勤時間が長い人ほど、許容できる通勤時間も長くなるという結果があります。例えば、現在の通勤時間が30分未満の場合、許容できる範囲は60分以内。一方、60分以上をかけて通勤している人であれば、90分程度が許容できる範囲となっています。
通勤時間が長くなるとこんなデメリットが
仮に片道で90分をかけて通勤する場合、1日24時間のうち3時間も通勤に消費してします。睡眠時間やプライベートの時間を削られることになり、日中のパフォーマンスにも影響が出かねません。特に朝が苦手な人は大変です。また、公共交通機関を利用する場合は、満員電車などによるストレスも大きくなります。できれば、通勤時間を短くして、ストレスを減らしたいものです。
職場から遠くてもこんなメリットが
一方、たとえ通勤時間が長くても、住環境に優れた場所にマイホームが欲しいという方もいるでしょう。都心を離れて郊外に土地を持てば、子育てがしやすく治安も良い場所に住むことができます。また住宅ローンの返済額も、郊外になるほど安くなる傾向にあります。また、車を保有しやすかったり、休日の買い物には便利な周辺環境の中で暮らせるなど、メリットは決して少なくありません。
我慢できる範囲を過信せずに通勤できる場所を探す
前半でも触れたように、現在の通勤時間が長い人ほど、許容できる時間も長くなる傾向にあります。ですが、自分が我慢できる範囲を過信しないようにするのが得策です。通勤は毎日のことですから、およそ1時間を目安にして、家族にとって暮らしやすい場所選びをするのがおすすめです。ライフスタイルや将来の暮らしも想定した上でのマイホーム選びに、ぜひプロのアドバイスを取り入れましょう。建ててから後悔することがないよう、プロのアドバイザーの声も参考にしながら、理想のマイホームづくりに取り組んでみてください。